3月28日の日記

 今日は職場でも割り箸事件の判決(事件というまでもない気がするが)でもちきりだった。
(詳細ページ:http://erjapan.ddo.jp/qa.html)

 結果的に無罪だったが、裁判官付言をみると、
「診察を怠った過失はあったが、頭の状態に気づいたとしても救命可能性は低かった」
「転倒して割りばしがのどに刺さったと聞けば、小脳にまで達したことは想像できなくはない」「医師として基本的、初歩的な作業を怠った。サインを見落とし、真摯(しんし)な医療を受けさせる機会を奪った」

 じゃあ、結局は死ぬ寸前だったから無罪で、世界初の予見出来ない症例でも見つけるべきだった、ってことだろうか?やっぱり、裁判官の判断ってのは明らかにズレている。医師免許ってのはあくまで、国が定めた試験をパスしたという証拠にしかすぎない。それを持っているからといって、全てのどんな病気でも診断出来る、治せるというお札ではないのだ。「交通事故を起こすことは予見出来たのだから、運転免許を持っている人は絶対に事故をしてはならなかった」と言っているのと一緒。

 結局、たどり着くところは「なぜこんなに医療費が安く抑えられてしまっているのか」ということ。安いから医師はたくさん雇えない。雇えないから一人当たりの患者が増える。だから一人に割ける時間が減る。今回の子供も、親も、担当医も、全てこんな国にしてしまった厚労省の犠牲者。6年間も審議していて、そんなことも分からない裁判官は無能の一言。

 早く一回の外来が1〜2万円になって、救急車が全て有料になって、夜間救急はアメリカ並みの4〜8時間待ち+超高額、救急当直の翌日は完全な休日になればいいのにねえ、そしたら有罪でも満足するよ、とみんな意見が一致した午後でした。

 裁判所が何を言おうと、遺族が何を言おうと、これが日本の医療現場の意見。

 今日は朝からバイト、午後はI病院のちょっとだけ訪問と苦労して作ったPositive controlの発光。苦労した甲斐あって、綺麗に現像されていた。